ジョジョ「一巡後の世界」とは？ 7部はパラレルワールドなのか

「ジョジョの奇妙な冒険」はパートごとに、“時間”に関する能力を持ったラスボスが待ち構えています。例えば、時間を止めたり戻したりできるキャラも。そんな中、第6部では時を加速させるスタンド能力を持ったエンリコ・プッチが登場。宇宙を「一巡」させ、新たな宇宙を作ろうしたその恐るべき能力は、第7部以降の世界にも影響しています。

ジョジョシリーズで語られる「一巡」とは何なのか？　原作者・荒木飛呂彦先生のコメントも振り返りながら解説します。

ジョジョシリーズの「一巡後の世界」とは？

ジョジョの第6部以降、読者の間でもよく「一巡」という言葉が使われます。「世界が一巡する」とはどういうことなのか……、まずは6部の内容を振り返りましょう。

■「一巡」とは

「一巡」という言葉には、巡る・回るといった意味があり、ジョジョシリーズでは「宇宙が巡ること」を指します。

■メイド・イン・ヘブンの「一巡」させる能力とは？

「ジョジョの奇妙な冒険」第6部のラスボスとして登場したプッチ神父。DIOとの出会いで刺激されたプッチは、「天国」を作り上げようとします。

「メイド・イン・ヘブン」の能力は、時を加速させて一度宇宙の終焉を迎えた後、新たな宇宇宙を作りだすというもの。この「一巡」こそが、DIOやプッチが求めた「天国」の完成とされています。

■メイド・イン・ヘブンによって宇宙は「一巡」した？

結論からいうと、プッチが計画した「一巡」は失敗に終わっています。

プッチは宇宙を一巡させる直前、時が加速するのを中断。彼が理想とする世界を迎えるためには、徐倫たちから“希望”を託された少年エンポリオを排除する必要があったからです。

しかし、プッチは宇宙の一巡を完遂することなく、エンポリオに敗れて死亡。その後、プッチがいなくなったことでメイド・イン・ヘブンは暴走し、再び時を加速させます。

そして次のシーンでは、エンポリオがとあるバス停でたたずむ様子が。「一巡」はしなかったものの、徐倫とよく似たアイリンが登場するなど、パラレル・ワールドのような世界が描かれました。

■宇宙の「一巡」に失敗したあとの世界とは？

「一巡」に失敗した世界はどうなるのか……。その答えは明言されていないため、エンポリオ以外の人物は宇宙とともに消滅したのではないかと考える人もいれば、パラレル・ワールドの世界で生きているのではないかといった憶測が飛び交うなど、読者の解釈はさまざまです。

ジョジョ7部以降が「一巡後の世界」だとウワサされる理由

ジョジョシリーズは1部から6部まで、DIOとの因縁に決着をつけるまでの地続きの物語が描かれていました。ところが、7部ではこれまでの世界とは異なっているような設定も登場。「やっぱり世界は一巡した？」「パラレル・ワールドの物語？」と考察する読者も続出するその理由とは……？

■1部と7部の時代設定が同じ

第1部と7部の舞台は、ともに19世紀。2011年のできごとを描いた6部までは、時代を追うようなストーリーも見どころでしたが、7部ではこうした“時間”のつながりがありません。

■主人公の名前が似ている

主人公のジョニィは1部から6部にも登場していた“ジョースター”を。その相棒となるジャイロ・ツェペリは1部と2部で波紋使いの一族として登場した“ツェペリ”を名乗っています。舞台となる国は異なるものの、似た名前のキャラが複数登場するので、6部とは異なる世界だと考えられます。

ジョジョ7部以降は本当に「一巡後の世界」なのか？

ジョジョ7部は読者の中で「一巡後の世界」と表現されることもありますが、本当に「一巡後」なのか……。原作者の荒木飛呂彦先生は以下のようにコメントしています。

ジョジョは7部から読み始めても楽しめる？

まだジョジョを読んだことがない人からは、「気になるけど巻数が多くて……」「どこから読めばいいのかわからない」といった声もよく聞かれます。7部はこれまでのパートとは違い、主人公の血筋やDIOとの因縁といった“最初から読まないとわからない要素”がないため、特に疑問もなく読み始められるはず。

しかし、7部をより楽しむなら、1部から読み進めるのがオススメ。「1部で登場したあのキャラが7部ではまさかの能力を!?」といった、シリーズを追っているファンだからこそわかる驚きや興奮もあります。もちろんその逆でもよく、7部を読んだ後に、1部の世界線を楽しむのもいいでしょう。

一度読み始めれば、ジョジョならではの独特な世界に引き込まれるはずッ！